本日の1冊 『“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ) 1』 [コミック]
“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ) 1 (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 野村 美月
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/04/24
- メディア: コミック
野村美月さんのラノベ、『“文学少女”シリーズ』のコミカライズ作品の一つ、高坂りとさんの『“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ) 1』です。
正直言うと、あまり期待していなかったのですよ。
あの“文学少女”の世界をマンガでどこまで表現できるのか、いえ、そもそも野村さんの文章が醸し出すあの雰囲気を描き表すことなどできないんじゃないかと思っていたのです。
けれど、それは大間違いでした。
良い意味で裏切られちゃいましたね。
ただ、最初の数ページはちょっと取っつき難かったですね。
心葉の自己紹介がとにかく説明的で、「このまま読み進めていって全編これだったらどうしよう…」と思ったくらいです。
彼の事情説明を原作どおりに少ないページ数でやっつけてしまおうとすると、あんな感じになっちゃうんでしょうね。
物語が進行する中で少しずつ散りばめてゆくこともできたんじゃないかな?って気がします。
物語本編は、キャラの特徴をしっかりと活かしていて、進行も、原作に比べるとやや緩やかであるものの、淀みなく流れるように展開してゆきます。
心葉たち一人ひとりの心情がその表情一つでストレートに伝わってきて、それが物語のアクセントにもなっていますので、どちらかというと淡々としたテンポで展開していく割には淡白な印象を受けずに、物語をしっかり読み進められました。
これなら原作を読んでいる人はもちろん、そうでない人も楽しめそうですよ。
今巻は、原作の79ページまでが描かれています。
原作ではこのあたりから流れが変わりだすことになりますが、はたして高坂さんはこの先どんな形で物語を盛り上げてくれるのでしょうか。
今から次巻が楽しみです。
高坂りとさんのWS:RK
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