本日の1冊 『恋の話を、しようか』 [ライトノベル]
とある地方の街の予備校でふいに起こった停電騒ぎ。
そのとき、偶然その場に居合わせて束の間の時間を共有した4人の高校生、桧山ミツル、神野若葉、市川ボナパルト、霧原かずみ。
これは17歳の少年少女が出逢い、惹かれあい、迷いながら、それぞれの胸に宿った恋心を紡ぎあげてゆく物語。
三上康明さんの 『恋の話を、しようか』 です。
面白かったです。
月並みな言葉ですが、素直にそう思えました。
お話は、それぞれに悩みを抱え足踏みをしていた4人が、互いの言葉に励まされ躊躇いながらも一歩ずつ歩みを進め、その中で恋心を募らせてゆくというもの。
正直、決して目新しいわけでもない、どちらかというとありふれたシチュだと思うのですけれど、ミツルの言葉を借りて綴られる衒いのない素直な文章を読み進めてゆくうちに、とても自然に物語世界に入り込んでいました。
読み終えたときに、彼らと離れてしまうことが寂しく感じられたくらいです。
このお話の続きが描かれることは、たぶんないでしょう。
けれど、彼らの恋物語に終わりはありません。
きっとまた、いつかのようにミツルが皆に問いかけるのです。
「恋の話を、しようか」
三上康明さんのWS:Surely a frog does not cry.
http://www.torippi.com/
イラスト担当 オトウフさんのWS:オトウフ/マテリアル
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