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本日の1冊 『泣空ヒツギの死者蘇生学』 [ライトノベル]


泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫 あ 26-1)

泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫 あ 26-1)

  • 作者: 相生 生音
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 文庫



少女はずっと少年だけを見ていた
少女は自分だけが少年の傍に居られるように心を注いでいた
しかし、少女は自らの想いを少年に伝えず、少年は少女の想いに気付かなかった

ある時、少年の周辺に少女ではない異性の影が見え始め
少年は少女の想いをよそに、その異性に興味を抱き始めた

少女は少年の傍に自分以外の誰かがいることに耐えられなかった
少年は少女にとって掛け替えのないものだった
少女は焦燥感を募らせ自らの消極さを悔いた


―そして、少女は、決意した―




相生生音さんの 『泣空ヒツギの死者蘇生学』 です。
笹倉綾人さんのイラストに魅かれて手に取ったのですが、これは当たりでしたね。

とにかくキャラが立っています。
主人公の“氏姓 偲(しかばね しのぶ)”やヒロインの“泣空(なきがら)ヒツギ”を始めとして、物語を彩るメリハリの利いたキャラたちが、バランスよく配置されお互いを高めあっている感じが、なかなか好印象です。
キャラに所謂「普通の名前」がないってのもそれを手伝っているかな?
もっとも、物語の冒頭で15人の死亡者名を見たときは、正直ちょっと引いちゃいましたけどね。

世界観も結構すんなり受け入れられました。
連続猟奇殺人犯やら切り刻まれた死体やらが出てくる割には、あまりおどろおどろしさを感じないですしね。
ただ、“去殺(こころ)”が人を引きちぎるシーンはグロイかも。
あれは想像したくないです。

敢えて難点を挙げるとすれば文体でしょうか。
キャラの心理やシーン描写などなど、執拗なほど様々な言い回しで表現する特徴的な文章は、諸刃の剣かも。
わたくし的には“言葉遊び”の範疇だと思うのですけれど、こういうの苦手な人も結構いるのではないでしょうか。
あとほんのちょっとだけ整理すると、もっとスッキリするんじゃないかな?
ページ数も抑えられますしね。

いずれにしても、面白いのは間違いなし。
相生さん、なるべく早めに次巻をよろしくです!

おまけの一言。
カラー口絵の“冥途”の右手人差し指が気になります。

では。




イラスト担当 笹倉綾人さんのWS:イミテーションゲノム
http://omutsu-3rdstrike.candypop.jp/


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