本日の1冊 『くるくるクロッキー』 [ライトノベル]
描くものが命を吹き込まれたかのように動き出してしまう能力を持つため、絵を描くことを止めてしまった高校生・魚住或瀬に、クラスメイトで傍若無人なお嬢様・雪姫鳴歌が、自らの思いを遂げるために、絵を描かせようと迫ることから始まる物語。
渡部 狛さんの 『くるくるクロッキー』 です。
面白かったです!
タイトルと電撃文庫WSでの紹介文から、異能を持った主人公とわがままお嬢様のライトなドタバタ・コメディだろうと高をくくっていたのですがとんでもない。
読み初めこそコメディ色を感じたものの、或瀬が美術室で絵を描いてしまうあたりから増し始めたシリアス色は、或瀬が過去に引き起こしてしまった事件や鳴歌が或瀬に拘る理由などが明かされてゆくにつれてグッと濃くなってゆき、さらには或瀬の絵を描くことに対する情熱が加わり、結構読み応えのある物語が展開されていました。
これはいい意味で裏切られたって感じです。
逆に、もっとコメディ色の強い作品がお好みの人の中には、この記事をお読みになって「じゃ、やめよっかな?」という人もいらっしゃるかもしれませんね。
でもね、全編を通して愉快で渋いマスコットキャラ(?)なども登場しますし、鳴歌の思考回路もなかなか楽しいものがありますので、読んで損はないと思いますよ?
ぜひお試しください!
イラスト担当 茨乃さんのWS:Eefy
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