本日の1冊 『疾走する思春期のパラベラム みんな大好きな戦争』 [ライトノベル]
疾走する思春期のパラベラム みんな大好きな戦争 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 ふ 1-2-6)
- 作者: 深見 真
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/04/30
- メディア: 文庫
少年は死にたくなかった。
だが、この特殊な戦争は、本当の意味で無差別だった。
(本文P11より引用)
個体数の増えた人類を殲滅するために存在する≪乾燥者(デシケーター)≫と、彼女らに対抗するために覚醒した、自らの殺意や闘志を銃器の形に物質化することが可能な特殊能力者≪パラベラム≫との戦いを描いた作品。
深見 真さんの 『疾走する思春期のパラベラム みんな大好きな戦争』 です。
乾燥者による大量虐殺。
その表現のされ方が実に怖いです。
それまで普通に暮らしていたはずの少年たちの日常に、スッっと唐突に死を挟み込む描き方は、ただ単に、「乾燥者の圧倒的な攻撃を受け、一瞬にして何十万人もの命が失われた」と書かれるよりも、余程恐ろしく感じます。
別のシーンでは、「世界中で6,000万人が殺された」というところを「世界人口が60億だとすると、1%が殺されたことになる」と表現しています。
これって、たとえば自分の知り合いが100人いたら、そのうちの一人は殺されているということです。
200人であれば2人、300人であれば3人…、と絵空事だったものが途端に現実味を帯びてきて、恐怖が増してゆくことに…。
今巻を読んで、同じ物事でも描かれ方によってこんなにも違ってくるものなんだと、あらためて思い知らされました。
今巻では、これまでともに戦ってきた城戸高校のフライトが、袂を分かつことになります。
様々な想いを胸に、それぞれの道を選択をする5人。
その結果、ついには命を落とす者も…。
圧倒的な力を見せつけるショウグンとセンセイを倒すことはできないのか。
そして、一兎の前に姿を現したシンクロニシティの真意とは。
物語は、最終巻 『疾走する思春期のパラベラム 君に愛を、心に銃を』 へと続きます。
深見 真さんのblog:深見真のものかき日記
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イラスト担当 うなじさんのWS:unaji-mir
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