本日の1冊 『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』 [ライトノベル]
AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫 た 1-4)
- 作者: 田中 ロミオ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 文庫
田中ロミオさんの 『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』 です。
近刊情報では 『流行の学園ラブコメを目指してみる(仮)』 でした。
主人公目線の軽妙な一人称のおかげでスッと入ってサラサラと読めちゃうんですけれど、その内容たるや、結構痛いです。
読み始めはあちら側の世界のお話っぽいのですが、読み進めていくにつれてそうでないことが判ります。
それでも、ひょっとしたら最後の最後で大どんでん返しがあるんじゃないかと、いえ、きっとそうに違いないと思っていましたが、結局こちらの世界のお話なのでした。
なんだか「ちっ、やられちまったぜ!」って感じです。
ところで、この作品を読んで、「“普通”ってなに?」ってことを改めて考えました。
よく使いません?「普通そうじゃん」とか「そりゃ普通じゃないよね」とか。
これ、“常識”って言葉もそうなのですけれど、その内容って一人ひとりズレてるはずなんですよね。
でも、そのズレはなぜかなかなか容認されなかったりして。
コミュニティの多数に「普通そうでしょ」と言われて、「それがなんで普通なの?」と返すと、とたんに秩序を乱す不安定因子扱いされ、待っているのは拒絶そして排除。
結局それが怖くて、そうなることが判っているから、「あれ?そうかな?」思っていることまで普通として認めて、“異端”を排除する側に回っちゃう。
このお話のラストでは、コミュニティで普通だったメンバーが異端側にカミングアウトします。
で、異端の最右翼に居た少女が普通たらんとするのです。
でも、こうなるとやっぱり彼女は「キミは普通じゃない」って言われちゃうのかな?
なんだか妙な感じ・・・・・・。
こんな書き方をしていると、「あまり面白くなかったのかな?」と感じられるかもしれませんが、そんなことはありません。
田中ロミオ風学園ラブコメ、私はしっかりと堪能させていただきました。
でも、あくまでも“私は”です。
普通の人はどうなんでしょうね?
イラスト担当 mebaeさんのblog:めばえあにめ
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