本日の1冊 『からだのきもち』 [コミック]
ナヲコさんの成人誌掲載作品12編+同人誌発表作品1編を収めた短編集、『からだのきもち』 です。
一読しての第一印象は、「これ、掲載誌では浮いていたんじゃないかな?」です。
というのも、どの作品もフィジカルよりもメンタルに重心があるからでしょうか、H度が低めに描かれているからなのです。
たぶん最近のティーンズ誌に掲載されたとしても、相当弱めなのではないでしょうか。
なので、帯の煽り文句にある「えっち」とか「ちょっと危険!?」に過度に期待しないようにしましょう。
肩透かしをくらっちゃいますよ。
百合姫作品もそうなのですが、掲載誌のコンセプトはとりあえず押さえつつも、あまり傾倒せずに、自身の描きたいものをしっかりと表現しているってことなのだと思います。
ただそうすると、アンケート的にはちょっとキツイんじゃないかと心配になっちゃいますけれどね。
この短編集、多少イタめなシチュのものもありますが、どの作品も描かれている男の子や女の子はとても普通です。
皆、気持ちの内側に柔らかで温かいものを秘めていて、どこかで繋がりを求めています。
それを表現する形として、誰かと肌を合わせることは、とても自然な行為なのだと感じられました。
ナヲコさんは、現在comicリュウにて 『なずなのねいろ』 を連載中で、1巻はこの短編集と同時発売です。
こちらは一般誌(?)なのでH抜きの作品ですけれど、物語の真ん中にあるものは、やはり人と人との繋がりだと思います。
『なずな―』 では、はたしてどんな繋がりを見せてくれるのでしょうか。
そのあたりはいずれまた。
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