本日の1冊 『天秤は花と遊ぶ 1』 [コミック]
創立100年を越える伝統を誇り、聖女の楽園と呼ばれる名門・ロータス女学院。
これはその学院へやってきた転校生・“春日野謡子”が、学院生の憧れの的・“琴乃緒愁”と出逢うことから始まる物語。
卯花つかささんの 『天秤は花と遊ぶ 1』 です。
このお話、本屋さんでカバー絵と帯の「欲しいのは、お前の血。」というキャッチを目にしたときは、「“吸血鬼”が絡んだ百合ものかな?」ってイメージで手にしたのですが、ちょっと違っていました。
でも、はずれってわけじゃありませんよ?
むしろ手にして正解でした!(いろんな意味で……)
それは、こんな感じのお話です。
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“吸血症”のため、生きるために血液を摂取する必要があり、18歳になるまでは男でも女でもない愁。
そんな愁の秘密を知ってしまったにも関わらず、恐れるどころか愁を守ることを心に決め、あまつさえ自らの首筋を差し出す謡子。
愁は、最初のうちはどんな時も一緒にいようとする謡子をうっとうしく思うのですが、愁の傍にいる訳を大切そうに笑顔で話す謡子と過ごすうちに、自身にある変化が起きていることに気づきます。
自分に起きている変化に途惑い、それを認めたくない愁。
けれど、愁の身体はすでにそれを……。
いつも元気で前向きな謡子の振る舞いが気持ちよいですね。
愁とのことを「自分で選んだことだから大事にしたい」と口にしたときの微笑みも眩しいくらいでした。
けれど、なぜかそのシーンが心に引っかかりました。
確かに、謡子はそれがとても大切なことだと思っているのでしょうし、その笑顔に偽りはないのだと思います。
ただ、なんだか彼女にそれを言わせているなにかがあるような気がしてならないのです。
そしてそれは、彼女がこの学院へ転入してきたことに関わりがあるのではないかと……。
考えすぎならそれでもよいのですが、なんとなく気にかかります。
もう一つ気になるのが愁の身体のこと。
愁自身、先ほど書いた変化についてなにも知らなかったようですし、はたしてほかにどんな秘密があるのでしょうか。
そして、それを知っているはずの“蓮宮”にもなにか思惑がありそうな予感が……。
これも考えすぎ?
そんな風にpochiの想像(妄想?)を掻き立ててくれるこの作品。
この先どのような展開を見せてくれるのでしょうか。
次巻が楽しみです!
卯花つかささんのWS:細流亭電脳支部
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