本日の１冊 『放課後の魔術師 5 スパイラル・メッセージ』

放課後の魔術師 (5)スパイラル・メッセージ (角川スニーカー文庫 208-5)

• 作者: 土屋 つかさ
• 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
• 発売日: 2009/10/01
• メディア: 文庫

土屋つかささんの 『放課後の魔術師 5 スパイラル・メッセージ』 です。

また少し、物語が動きました。

今はもう海の藻屑となってしまった船上で、意識のないままに《紅》（オストラム）としての強大な力の片鱗を見せた“遙”。
今巻でも再び大きな力を行使しますが、その力の発現のきっかけとなり、同時に枷となっているものの存在が見え始めました。

一方、“安芸”に目を転じると、２年前、“伊代”がなぜ《人形》（ドール）となりジェシカ・システムの一部を構成することになったのか、彼がそのことをどう思っているのかについて触れられています。
そして、その時から安芸が心を閉ざし、笑わなくなってしまったことにも…。

こんな感じに、２人の抱える事情に限らず、ホントに少しずつですが謎が明らかになりつつあります。
もちろん、《完結した円環》（フォル・キアカル）や《鴉》（ノックス）の思惑など、まだまだ判らないことはたくさんありますが、それはこれから巻を重ねるごとに徐々に解き明かされてゆくことでしょう。

それをじれったく感じる人もいると思います。
でも、このくらいのペースでゆったりと展開してゆけるということは、物語がしばらく続くってことでしょうし、この作品の作風にもマッチしていると思いますので、これで良いのではないでしょうか。

次巻は学園モノの定番、修学旅行のお話です。
行き先はイギリス。
はたしてかの地では、どんなエピソードが展開されるのでしょうか。




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