本日の1冊 『ゴミ箱から失礼いたします』 [ライトノベル]
ある日突然ゴミ箱に魅せられて、気がつくと身体をすっぽり収めてしまい“妖怪ゴミ箱男”になってしまった高校2年生・小山萌太と、萌太のクラスメイトで、困っている妖怪を探知することができる“妖怪変に頼られ女”・水無氷柱が織り成すラブコメ。
第5回MF文庫Jライトノベル新人賞、優秀賞受賞作、岩波 零さんの 『ゴミ箱から失礼いたします』 です。
初めは読もうかどうか迷ったんですよねぇ。
だってほら、“妖怪ゴミ箱男”ですよ?
本屋さんで、この本を片手にしばし悩んじゃいました。
ま、それでも優秀賞受賞作ということなのでダメ元で読んでみたのですが、いやいやなかなかどうしてどうして、面白いじゃないですか、これ!
自分をゴミみたいだと思っているために“妖怪ゴミ箱男”になってしまった萌太と、萌太に首輪を着けて犬のように扱い罵詈雑言を浴びせるなど、傍若無人な態度を見せる氷柱。
一見すると(ってか、どう見ても?)、とても痛い関係に思われますが、この2人のやり取りが、結構いい味を出しているんですよねぇ。
最初のうちは一方的に萌太がやり込められるだけだった2人の関係も、行動を共にしてゆく内に少しずつ信頼が生まれ、氷柱に至ってはもう一歩踏み込んだ感情まで芽生えちゃったりして。
もっとも、だからといって氷柱が素直になれるはずもなく、萌太は彼女の微妙な変化に気付くことはないのですけれどね。
ま、そこはお約束ということで。
ほかにも、なんとも残念な妖怪が登場して場を盛り上げてくれたり、そもそも萌太たちが妖怪になってしまった根本的な訳があったりと、隠し味(?)もしっかりと仕込まれています。
もしも、pochiと同じ理由で手が出ていない人は、騙されたと思って読んでみてください。
結構美味しくいただけると思いますよ?
イラスト担当 異識さん参加WS:おこた
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