本日の1冊 『夜魔 -怪-』 [ライトノベル]
甲田学人さんの 『夜魔 -怪-』 です。
1/10に電撃文庫から刊行された『夜魔 -奇-』とともに、甲田学人さんがかつて6編の作品を収めて出版した『Missing』番外編、単行本『夜魔』の文庫化作品で、そこから『魄線奇譚』と『繕異奇譚』、そして『現魔女奇譚』が再録され、さらに書き下ろしの『接鬼奇譚』が加えられています。
楽しめました。
楽しめたのですけれど、MW文庫刊ということで、電撃文庫(『夜魔-奇-』)よりもワンランク上の恐怖を味わえるものと期待していたためか、全体的に大人しめと言うか、少々迫力に欠ける印象も…。
ま、元々同じ単行本に収録されていたのですから、同レベルでも当然と言えば当然なのでしょうけれど、正直ちょっと拍子抜けかな?って感じです。
あ、繰り返しになりますけれど、ちゃんと楽しめたんですよ?
「つまらなかった」とか「面白くなかった」などということはありませんので、誤解のないようにお願いします。
この本でのお勧めは、『― -奇-』に収録された書き下ろし作品『桜下奇譚』の後日譚として描かれた染井吉野の物語、同じく書き下ろしの『接鬼奇譚』です。
枯れてしまったはずの桜の木が見せた幻影
寿命が尽きてしまったはずの魂
主人公と美しい従姉の願い
残された切り株に芽吹いたもの
これは、新たな奇譚の始まりなのでしょうね。
ひょっとしたら、いつかまた染井吉野の物語が描かれるかもしれないなどと、ちょっと期待しちゃったりして。
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