本日の1冊 『せいなるめぐみ 1』 [コミック]
お嬢様学校に通っていた資産家のお嬢様・刑部 聖が、共学の公立高校に進学したことで巻き起こる騒動を描いた4コマ作品。
荒井チェリーさんの 『せいなるめぐみ 1』 です。
この作品、コメディですからクスクスしながら楽しめるのは間違いないのですけれど、これまでの荒井さんの作品とはちょっと違った印象を受けました。
幼い頃に両親を亡くして両親の友人に育てられた聖、父親の再婚相手にどこか遠慮がちな聖のいとこ・ひより、そして忙しい両親の下で寂しい思いをしながら育ったひよりの幼なじみの光正と、お話の中心にいる3人がふとしたところで見せる陰りが、ほかの作品に比べて物語にグッと厚みを持たせているのだと思います。
こう書くと、「え?そうすると全体的にちょっと重たい雰囲気になっちゃわない?」と心配される人もいらっしゃるのではないかと思いますけれど、そこはご安心を。
そんな雰囲気をものの見事に救ってくれる素晴らしいキャラが登場します。
その娘こそ、老舗旅館のお嬢様・椿 乙女ちゃん!
もう、乙女ちゃん抜きではこの作品は成り立ちません。
その活躍ぶりは筆舌にしがたいものがあります。
ただ、一つ間違えると根こそぎ持っていかれかねない危険をはらんでいると思いますので、この先、聖たちのシリアスな部分と乙女ちゃんをどのようにバランスよく絡めて行くのかが、この作品の最大の見所かもしれませんね。
荒井チェリーさんのWS:C
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