本日の2冊 『白夢 放課後の霧使い』『白夢2 白雲学園の姫巫女』 [ライトノベル]
4年以上前の記憶がない深森榮一は、両親を亡くし、遠縁にあたるという白雲家が経営する人里離れた山の中に建つ白雲学園へ転入した。
そこで榮一が見たものは、夜になると山を覆うスノーミストと呼ばれる異界へと繋がる霧に紛れて徘徊する異形≪はぐれ≫と、スノーミストを操って≪はぐれ≫から学園を守るために戦う生徒・霧使いたちの姿だった。
瀬尾つかささんの 『白夢 放課後の霧使い』と『白夢2 白雲学園の姫巫女』 です。
正直、1巻を読んでいるときは「失敗したかな?」と思いました。
スノーミストや≪はぐれ≫の謎、霧使いの存在、なぜ霧使いたちは学園から逃げ出さずに命がけで戦おうとするのかなどなど、その提示のされ方をあまりにも唐突かつ説明不足に感じてしまい、いまいち好感が持てなかったのです。
それでも、榮一や鬼神のような戦いぶりを見せる香久山神楽の≪はぐれ≫を相手にした立ち回りには胸が躍り、ラストシーンも気になる終わり方でしたので、とりあえず2巻も読んでみることにしたのですが、はたしてそれは正解でした。
2巻では1巻を読んで感じた引っ掛かりの答えが、完全ではないにしても、きちんと説明されていたのです。
しかも、「なるほど確かにこのタイミングで説明されるのが自然だ」と十分納得できる描かれ方でした。
いや、ホント、1巻で投げ出さなくてよかったと思いますね。
結構面白いですよ、この作品!
物語は2巻を終えて、おぼろげながらも、ようやく外観が見えてきました。
榮一や神楽、そして物語の中心とも言える存在、シラクモヒメに仕える巫女・白雲雪姫。
はたしてこの先、彼らにはどのようなシナリオが用意されているのでしょうか。
次巻からこそが、本当の意味での『白夢』の始まりなのかもしれませんね。
イラスト担当 るろおさんのWS:白と黒の境界線 Black and White Gorge
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