本日の1冊 『“文学少女”と恋する挿話集 3』

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 の 2-7-3)

• 作者: 野村 美月
• 出版社/メーカー: エンターブレイン
• 発売日: 2010/04/30
• メディア: 文庫

“文学少女”シリーズのサイドストーリーを収めた短編集の3巻目。
野村美月さんの 『“文学少女”と恋する挿話集 3』 です。



なんて切なくて優しい作品集なんでしょう。
収められた物語の一つ一つが、行き場を失った魂の痛みと癒し、そして救いを描き出しています。

得られなかったもの、失くしてしまったもの。
それを収めるべきところを代わりの何かで塞ぐことは、たぶんできないでしょうし、そもそもするべきではないのかもしれません。
けれど、それと同じくらい、いえ、もっと大切な何かを目の前にしたとき、それに希望を見出し、生きてゆくための糧とすることはできるのだと思います。

毬谷に千愛に流人に、そして物語を彩るすべての人たちに、心が向かうべき道筋を指し示すこの作品集は、これまで読んできた 『―挿話集』 の中で、最も愛情に満ちた1冊なのではないでしょうか。




イラスト担当 竹岡美穂さんのWS：nezicaplant

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